秘書検定の意味・意義を考える

勉強の一環でたわいもない資格を受けてみるのが趣味なのだが、先日受験した秘書検定2級の合格通知が届いた。

この秘書検定、一般的に取得する意味があるのだろうか?
秘書検定の概要は下記の通り。

  • 文部科学省後援の資格ではあるが、法律に基づいた国家資格ではない。
  • 一開催あたりの申込者数は7万人程度。(申込者数最大の国家資格は情報処理技術者試験で、30万人程度。)
  • 受験者の7割が学生。98%は女性。

で、内容だが、2級は簡単だ。6割の合格点なら、常識さえあれば受かる。私は、勉強時間4時間でほぼ全答であった(下記テキスト使用)。結論からいえば、この検定は常識力を測るものでしかない。
だが、問題が簡単で100点を取ることが容易かといえばそうではない。その点では、船舶免許筆記試験や東大入試の数学よりは遥かに難しい。

例えば、以下の問題は個人的に難問だった。。

秘書A子の上司(部長)はスケジュールに沿って行動するが、スケジュール通りにいかないこともある。次はそのときのA子の対処である。中から不適当と思われるものを一つ選びなさい。
①F部長との打ち合わせのじかんなのに、外出先から戻ってこないとき
F部長に、上司は外出先からの戻りが遅れていると話、待ってもらえるかと尋ねた。
②予約客から、都合で15分ほど遅れると連絡が入ったとき
この後予定は入っていなかったので、客には待っていると言い、上司にそのことを伝えた。
③風邪気味だと言って昼に退社したとき
午後取引先に一緒に出掛けることになっていた課長に、事情を話して取引先への対応を頼んだ。
④取引先の専務の葬儀に参列することになったとき
上司に、業界団体の定例理事会と重なるが、理事会へは課長に代理で出席してもらおうかと尋ねた。
⑤予約客が待っているのに会議が終らないとき
予約客に、会議が長引いているので上司に知らせてくるが、どのくらいなら待ってもらえるかと尋ねた。

テキストで勉強した感触だと、基本的に、この手の問題は、「秘書が勝手に判断するようなことではない」という理由で不適切解が導かれる。よって、勝手に判断し、対処をしてしまった②が解となる。しかし、私的には、④において、どちらの案件を優先するかを秘書が判断しているのが少し気持ち悪かったりするわけで。。。むしろ②はそれ以外の対応が想定されないとして、常識の範囲内で許容されうる気がする。

結局は上司次第で、杓子定規で振る舞いを規定することが自体が本資格の本質的誤謬であるということはさておき、秘書検定は、「もっともありがちな」振る舞いの道標としては一定の意味を持つのだろう。。

さらには、一般的な書類整理用トレーの絵が与えられ、○○トレーの○○に当てはまる言葉を答えよ、という問題もあった。
「そんなもん、トレーはトレーだろ!」という話なわけで、これがわかったからなんやねん、という。。(答えは、デスクトレーらしい。。。私は、職場では、机の上には置いていませんが!)


ちなみに、私が課のアルバイトの採用をした際は、秘書検定の合格暦有無は全く参考にしませんでした!

秘書検定クイックマスター2級

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