恋愛の科学の限界

男女間の恋愛の科学について。

男が浮気っぽく、女が男をえり好みする理由は、全ての生物として種を保存するための本能として説明可能だ。男は性交自体は負担ではないのでより多くの女性に対し種を残そうとするし、女性は出産は体に大きな負担となるためより優れた遺伝子・経済力を持つ男を探す。

岡田斗司夫の恋愛経済理論によれば、男性が女性に望むもの(女性の価値)、女性が男性に望むもの(男性の価値)、はそれぞれ以下のとおり。

  • 女性の価値

若さ、見た目、提供サービス、ブランド力(市場評価)

  • 男性の価値

提供できる環境、見た目、コミュニケーションサービス、ブランド力(市場評価)

女性は若い方が出産成功率が高いため若さに価値があるし、男性は堅強な家庭を築く能力が魅力の一つとなる。見た目、というのは美男美女という意味であるが、美男美女は健康であることは勿論のこと、平均的体型・顔であることを意味する。また、見た目、には、整形やメイク、服装での増強を行うことも含む。
上記男女の価値の差額が一般的には、経済力で埋められる。
ここでいう男女とは、身体的性別ではなく、心の性別である。*1

こういった一般理論は容易に理解できるが、少子化社会の現代においては、理解不能な事象も多くなる。まず、男性女性ともに、子供を欲しがらない人が増えているが、これは生物的な本能に反するものである。幸福の価値観が家庭を持つことから別のものへとシフトしているという仮説が考えられる。
また、貨幣経済が崩壊している時点で、女性は男性に経済力を求めなくなるため、金銭による差額の補充が難しくなる。
これらの理由から、恋愛資本主義の崩壊により、ポスト恋愛資本主義が台頭する。ポスト恋愛資本主義社会においては、恋愛欲求は、バーチャルな本能充足によって代替されるし、恋愛テクニックは、金銭で買える物品の提供ではなく、より精神的なコミュニケーションサービスや社会評価というブランド力が重視されるようになる。さすれば、リアル恋愛を逃避したラブプラス厨とリア充モテ男の2極化に進むことは容易に想像できるが、実はそうではなく、メディア洗脳の崩壊したポスト恋愛種本主義社会においては、多種多様化した趣味・価値観のあり様が可能になったため、ニッチな市場でのマッチングが各所で成立している。そうしたニッチな恋愛市場では、精神交流や評価資本が金銭よりも重要な意味を持つ。

金で解決された時代の方がわかりやすくて楽だったじゃないかなぁ。。。とオモフ。


*1:性分化プロセスにおいて生物学的性別の決定プロセスと性自認プロセスの時間差から、性同一性障害は生じるという仮説がある。